第66話 「雪」

雪が降った。
私の街は真っ白になった。

朝、あまりにキレイでネコのあなたに見せたいと思った。
なので、ベランダの窓を開けて、あなたに見せようとした。

少しだけ興味を持ち、匂いを嗅ぎながら、外をうかがう。
でも、外には出ない。

怖いのかな?

そう思い、抱き上げて一歩、また一歩と外へ出た。
イヤがるあなた。
だけど、まんざらでもないようね。


2人で雪景色を見た。


「ほら、真っ白だよ。雪っていうの。キレイでしょー」あなたに話しかけた。

あなたに雪を触らせたいと思ったので、柔らかい足先に、そっと、触らせる。
イヤがるあなた。
部屋に入っていってしまった。

私は大きく深呼吸をして、部屋に入ろうとした時、言った。
「外は雪の部屋の中、あなたとのヌクヌクはたまらなく暖かいね。」

あなたは一言

「いや、ヌクヌクは、いつでも暖かいのよ。だって、心が暖かくなるんだもん。」
そう言って、丸くなった。

コメント

猫さんを抱いて雪景色を見ている光景、目に浮かびます。猫さんも霜焼けになるって言うし、やはり肉球に雪の冷たさは堪えるのかな…。
どらニャンコ | 01/26
コメントを書く