第９４話　夏休み

夏休みは終わった。

急に夏も落ち着き、秋らしい風が部屋に入るようになった。

終わってしまった夏休みをぼんやり考えてみると、どこか旅行に行ったりもしなかった今年の夏休みは本当に素敵だった。
ネコのあなたと過ごす、夏のノンビリした午後はゴロッと寝たり、オヤツを食べたり、ボーッとしたり。

横になって本を読み始めると、あなたは遠くに居ても、ソッとやって来る。
「その本、面白い？」と一言聞いて、私と一緒に横になる。

静かな夏の午後。
夕方になるまでのお楽しみ。

あなたと私のゆっくりした時間は、夕方、コネコが「ゴハンちょーだい！」と叫ぶまで続くのです。