『チロ愛死』


見送った後の空は......


著者:荒木経椎
定価:¥1,575(税込)
出版社:河出書房新社


写真家アラーキーの愛猫チロの写真集第二弾。


(おそらく)チロが元気がなくなった頃から、亡くなるまでの約3ケ月間の写真が時系列で掲載されている。ページをめくるたびに、自分の鼓動が早くなるのがわかる。

もっと正確にいえば、表紙を見た時から鼓動が早くなっている。

それは思い出しているからだ。2009年の2月3日のことを思い出しているからだ。

前作の『愛しのチロ』で、チロがヤモリをくわえている写真がある。

この1枚ほどアラーキーの愛情を感じる1枚はない。

実はレナのことで、ひとつだけ猛烈に後悔していることがある。

それは夏の夜のこと。

我が家に迷い込んだセミをレナはキャッチし、それを食べようとした。

驚いた僕たちは、レナの口をあけてセミを取りだした。

あの時、レナに食べさせてやればよかった......。

レナの好きなようにやらせてやれば良かった......。

セミを取り上げられたレナのつまんなさそうな顔が忘れられない。

チロが亡くなった後、空の写真が続く。

この空があまりにも美しい。


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(URA EVO)

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