地震後の話
著者:児玉小枝
定価:¥1.260
出版社:日本出版社
大災害に遭ったとき、あなたは愛するペットを守れますか?この質問を投げかけられた時、すぐにYESと応えられる人は今現在、少ないかもしれません。それくらい今回の地震と津波は規模が大きく、あらゆる出来事が予想をはるかに超えていました。実際東京の我が家では、被害は少ないながらも物が落ち、割れ、あの日あの時刻を境に別の日常となりました。節電が呼びかけられる中、我が家も電力を最小限に抑え、もちろん暖房は一日中OFF。寒さに耐える生活を送る中、地震から約1週間後、我が家の猫そのちゃんが亡くなりました。
昨年大病を患い大手術から見事復活したものの、長くは生きられないだろうと言われていたそのちゃん。寿命だったとしても、暖房を切ってしまったことで死期を早めてしまったかもしれない......でもあの時、TVから流れてくる被災地の方々の暮らしを見た私にはどうしても暖房をつけることができなかった。自分がどう振舞う事が正解だったのか今でも分からず、きっとこの先もそのちゃんの死について考え続けるのだと思います。
この本は、1996年夏、阪神淡路大震災で家をなくし神戸市内のテントで犬二頭・猫十一匹と共に二年半暮らし続けたおばあちゃんの写真物語。本の中にこんな一文があります。
『守ってあげているつもりが、実は守られているのだという。』
冷たくなったそのちゃんに寄り添って過ごした夜、地震後初めて安心して朝まで眠れました。ありがとう、そのちゃん。
最後に、一人でも多くの人の命、生きとし生ける全ての命が救われますように。そして亡くなられた全ての方々のご冥福をお祈りいたします。
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(竹田)
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