モコと短い秋

★佐賀の化け猫騒動・其の三

行方不明になった鍋島光茂の部下ー小森半佐衛門に斬殺された竜造寺又一郎の生首・・・それは竜造寺家で可愛がられていた黒猫の“こま”がくわえて持ち帰っていたのだった。こまは又一郎が囲碁をしていた光景を眺めていた。そして目の前で自分の父とも言うべき又一郎の斬刑を目の当たりにしてしまったのだ。主人の帰宅を待っていた妻が見た変わり果てた夫の姿を見て全てを悟り、短刀を胸に突き立て・・・こまの目の前で自ら命を絶つ。こまに消えゆく意識の中で鍋島家に対する憎しみ・怒りを託しながら。。。

両親の死を目の当たりにした『こま』は鍋島家への恨み・怒り・憎しみを抱き化け猫としての力を解放する事になるのだが、実はこまは竜造寺夫妻と生活している中で既に化け猫へと覚醒していたのだ。それでも正体を見せなかったのは夫妻の大きな愛情ゆえだった。

・・・こまが育て上げてきた家来の怪猫と共に凄惨なる復讐が開始される。

・・・・・・最終話へ続く。