みみ先カット猫のお話

愛され猫のかたち



著者:佐上邦久、佐上悦子
定価:¥1,200(税込)
出版社:ぶんか社


皆さん、みみ先カット猫って知ってますか?最初このタイトルを見たとき「事故か何かで耳の先がちぎれてしまった可哀想な猫の話かな」と思いましたが、正解はその逆。耳の先っぽが無いのは猫が愛されている証拠なんです。


というのもこの「みみ先カット」は、不妊手術済みの猫ですよというシンボル。年間20~30万頭とも言われる犬猫等の行政による殺処分問題が取り沙汰されるなか、捕獲して(Trap)、不妊手術をし(Neuter)、元の場所に戻す(Return)というボランティア団体によるTNR活動の証なのです。


内容は、路地裏や原っぱで見つけたみみ先カット猫の写真がメイン。どの猫もふっくらとしていて毛並みもキレイで、とても野良猫には見えません。あえてそういう猫を選んでいるのかもしれませんが、そうだとしても、幸せそうな野良猫たちの写真を見るとホッと心が和んでしまうわけです。でもその裏では何頭もの猫(犬)が処分されている現実も。


しかし、野生の猫を捕獲して赤ちゃんを産めなくする行為は、人間側の身勝手な行為のような気がしないでもありません。それが猫の幸せだとは割り切れない複雑な想いが胸に重くのしかかります。だからといって、何もしないままでは処分される猫が増える一方だし......。可愛いだけでは済まされない、心に強く訴えかけてくる一冊です。

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(竹田)

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