著者:西加奈子
定価:555円
出版社:角川書店
猫に毎日教わっていること
「きりこ」はとんでもないぶすな女の子。しかし、きりこは自分がぶすであることを自覚せずに、逆に「自分はかわいい」と思いこんで少女時代を過ごします。そのとんでもないぶすのきりこに拾われたのが猫の「ラムセス2世」。しかしきりこはある事件をきっかけに、自分がかわいくない、自分はぶすだということを知ることになります。物語はこのへんから大きく動き出します。
ある意味では非常に残酷な物語でもあるのですが、関西風味(?)のせいか、コミカルな印象も感じながら物語は進みます。そしてきりこはあるがままの自分を受け入れた時、試練に立ち向かえるようになります。
あるがままの自分を受け入れ、あるがままの相手を受け入れる......。このとても難しいことをいとも簡単にやっているのが、僕たちが愛してやまない、あの動物なのです。
文中にある
「猫たちはすべてを受け入れ、拒否し、望み、手に入れ、手放し、感じていた。
猫たちは、ただそこにいた。
ただ、そこにいる、という、それだけのことの難しさを、きりこはよくわかっていた。」
が本書のすべてのような気もします。
僕の大好き猫本BEST5入り決定です。
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(URA EVO)
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